日米医学部学生交流会!JMSA学生代表が日本の学生医師と交わり真剣勝負!

JMSAコミュニティーの皆様へ

如何お過ごしでしょうか?チューレーン大学医学部4年生兼JMSA学生代表の中川裕介です。私事で大変恐縮でございますが、この度日本へ一時帰国を致したのと同時にJMSA及び柳澤会長の尽力により日米医学部学生交流会が実現致しましたので活動報告をさせて頂きます。

今回交流を致しました大學は時系列順に京都大学医学部様、東京女子医科大学様、東北大学医学部様、そして東京医科歯科大学様の順です。短い期間で交流会実現に協力して頂きました各校の関係者の皆様及び各先生には心より感謝申し上げます。

東日本大震災以前、エンジニア志望であった当時、日本で工学生でありました私は1年間宮城県七ヶ浜町で震災支援活動を従事した事を機に医師を志ました。自身の更なる成長と可能性を模索する為に渡米し、現地でNPO法人や大学で非常勤講師などの勤務経験を得て現在の私に至ります。また、私が医大3年生時はコロナ渦中真只中での臨床実習(ポリクリ)という貴重な経験を積ませて頂きました。そのような背景から各大学からご興味を持って頂きまして、自身の米国滞在生活や体験談を日本の医学生に共有するというユニークな機会を設けて貰いました。私が米国医大生という立場である事から、日米医学教育の違いや類似点、米国医大生から医師への道のり、そしてパンデミック下での臨床実習体験談など様々な事について語らせて頂きました。

このような有難い機会に対して、日本の有志達ならびに参加者と如何に有意義な交流会を実現させるかを考え抜いた結果、私から以下の4つの質問をオーディエンスに提起しました。

  1. どうして貴方は医療を志すのか?その中で何故医師を志望するのか?
  2. 貴方の人生の物語とは?
  3. 一医療従事者として貴方が患者に提供したい医療とは?
  4. 貴方のプロフェッショナリズム及び仕事の流儀とは?

現代医療において医師に求められるのは教科書やガイドライン以上の包括的ケアであり、医学部で医学を学ぶそれ以上の知識やスキルが必須です。従って上記の質問項目は己の人間力を高める為又は困難に陥った時に原点回帰をする為に私が常に自問自答しています。医学部を含む医療界隈ではとても優秀な人材が集まります。他人との比較は時には自身へ牙を向き、自信喪失に繋がり、自分が患者に対してどのような医術を施したいのか見失う時があります。そのような中で不自然に飾らず自分らしい医療を提供する為に私は常にナンバーワンでは無くオンリーワンをモットーとして日々研鑚しております。

京都大学医学部さんとの交流会では対談とオンラインのハイブリッド形式で行われ

ました。京都大学医学部卒業で現在Kent Hospital and Care New EnglandでICU勤務医の南先生ならびに京都大学大学院・医学研究科・医学教育国際化推進センター講師の山本先生の尽力の元、それぞれがご多忙の中、短期間で早急に準備して頂きました事、厚く御礼申し上げます。秘書の土橋様もお世話になりました。立派な講義堂に招かれ、その中で教鞭に立つというとても貴重な体験をさせて貰いました。本庶博士のラボやノーベル生理医学賞受賞記念碑を実際に自分の目で確認する事が出来ました。交流会には急な都合の中でも20人程の参加者が募り、医大生や先生方々からも良質な質問を沢山頂き、とても実りある交流会が実現致しました。JMSA主催のウェビナーでお世話になっている山中伸弥教授を始めノーベル賞を受賞した偉人達の影響から、参加した学生さん達からは研究意欲の高さが伺え、私自身も学生さんの稀有な学習意識に感嘆致しました。南先生も夜勤明けの米国朝4時から参加して頂きご足労いただきました。私のような半端者を快く受け入れて下さり、当日ファシリテーターとして務めました山本先生には大変感謝しております。

京都大学医学部講義堂にて
本庶佑医学博士のノーベル生理医学賞受賞記念碑にて
京都大学医学部参加者との集合写真

続きまして招かれたのが東京女子医科大学さんでした。急なお願いにも関わらず杉下教授が私のセミナーを快諾して頂き本当に有難う御座いました。国際交流室の大黒様にもお世話になりました。東京女子医大ではアナザースカイという題のセミナーで様々な方をゲストスピーカーにお呼びしているそうです。今回は急遽特別編として企画して頂き、私には勿体無いような素敵な告知ポスターを作成して貰いました。当日のセミナーではのびのびと自由に語る事が出来、海外での生き方や働き方、私自身が大切にしている信念や哲学、日米医学教育システムの相違点や類似点、英語の勉強方法及び米国医師免許試験の勉強方法など、参加者からとても興味を持って頂き大変恐縮でした。後に「元気を貰った」や「より一層努力していきたいと思います」などの温かいメッセージを沢山貰い、互いに良い刺激を与え合えた事を確認できました。私からも未来の女性医師リーダーにエールを沢山届けた事も非常に幸いでした!

東京女子医科大学 「アナザースカイ」セミナー告知ポスト 
東京女子医科大学の参加者との集合写真

東北大学医学部さんとの交流会につきましては東北文化学園大学学長である加賀谷先生と東北大学医学部の石井先生の助力に大変感謝しております。また学生グループのI Healthの皆様ならびに代表者方々の尽力にも御礼申し上げます。1年間震災支援活動を従事した私にとって東北大学医大生と交流出来る事は個人的にとても意義がありました。特に震災やパンデミックなどの有事の際に私たちがどのような行動を行い、社会へ還元出来るかで私たちそれぞれの真価が問われる事についても力説させて頂きました。同じ医学を学ぶ、同じ釜の飯を食べる同志達へ熱い想いをぶつける事が交流会では出来たと実感しております。それに応える様に学生医師達からも鋭い質問や意見を頂きこちらも胸が躍りました。N Yから参加した柳澤会長も医大生達の熱い気持ちに感化されたと仰っておりました。参加者も医学部のみでは無く医療福祉を学ぶ学生さんも参加して頂き、それぞれのモチベーションの高さが伺え大変有意義な会になりました。有難う御座いました。

東北大学医学部及び医療福祉関係の学部参加者との集合写真

最後の交流会は東京医科歯科大学さん。開催に助力して下さった高田先生ならびにHealth Sciences Leadership Program(HSLP)の学生代表皆様には心より御礼申し上げます。開催準備につきましてはHSLP代表者達と幾度の打ち合わせを行い、その時点で既に当日が白熱開催する事を予感しておりました。その予感も見事に的中し、交流時間も2時間、更にアフタートークで1時間という長時間設けて頂いた為、様々な議題について皆で意見交換が出来ました。その例として以下が挙げられました。

社会経験を積んで医学部に入学及び編入した学生と高校卒業後に直接入学した医大生との相違について。付随して他人との比較による苦悩や羨ましさ。結論として自分には無い相手の能力やスキルに対して妬んでも仕方が無い為、如何にして自分と真正面から向き合う事で個性や独自の感性を磨き上げる重要性ついて。そして医学部進学という荒波に対して如何にモチベーションを見出すのと同時にセルフケアに努めるのか。そして、如何に開拓心やフロンティア精神を持って新たに患者との触れ合いや地域貢献などの機会を見出すべきか。未熟さを武器として、また学生身分という特権を活かして如何に先生達に対して甘え上手になり学生活動の幅を広げるか等。フィナーレにふさわしい実りある白熱交流会が実現致しました!白熱する議論と熱い学生医師たちにリモートで画面越しの柳澤先生にも熱意が伝わり大変感心しておりました。

東京医科歯科大学参加者との集合写真

私自身も今回この様な素敵な交流会を日本で実現させるにあたり大勢の大人達、先生達から助けて頂きました。一生懸命取り組めば新たな可能性を生み出せる事も学びました。そして日本の学生医師及び同志達から言葉では表現出来ない良い刺激を沢山貰い、成長させて貰いました。関係者並びに参加者の方々に重ね重ね御礼を申し上げます。JMSA並びに柳澤会長に改めて「有難う御座いました」とお伝えし、今活動記録を締め括らせて頂きます。皆様またいつかお会いしましょう!