体験記: 日本人医学生を対象とした見学プログラム

横浜市立大学医学部医学科4年

油木 理緒奈

私は現在、ニューヨークのWeill Cornell Medical College にて3ヶ月間の研究プログラムを行なっております。先日米国日本人医師会(Japanese Medical Society of America, JMSA)の先生方にお会いする機会をいただきましたので、その経験について記載させていただきます。

4月のある日、JMSA理事・奨学金委員長である島田悠一先生にお会いする機会をいただきました。島田先生は循環器内科指導医として臨床と教育にあたる傍らNIHのR01グラントという研究助成を得て研究室を主宰されていますが、ご多忙の中お時間を作ってくださり、私たちに コロンビア大学病院と先生の研究室をご案内くださいました。私自身は今回短期の研究留学として渡米しており臨床の場を見る機会がありませんでしたので、この機会をいただけたこと、島田先生ご本人にご案内いただけたことが大変嬉しく、終始周りをあちこちと見渡しながら、循環器内科病棟や、心臓外科病棟を見学しました。アメリカならではの光景として、保険の種類が複数ある受付の事務スタッフが多数いること、病院に宗教を問わない祈祷所が併設されていることなど、島田先生からたくさんのことをお教えいただきました。

また午後には、先生が臨床医として渡米されたご経緯や、USMLEの勉強法について、その後のキャリア形成などについてお話を伺いました。

その後、夕方にはJMSA主催のお食事会に参加し、同時期に臨床実習をされている日本の医学生の方々や、前JMSA会長の柳澤先生をはじめ複数の先生方とお話ししました。お食事の場で島田先生には、臨床医として、また臨床研究を行う clinician- scientist として、日本とアメリカの研究環境の違いや仕組みの違いを具体的に教えていただきました。また先生のこれまでの歩みや、研究を通してより良い医療を届けたいという熱い想いをお伺いし、長期的な目標・ビジョンを明確に掲げそれに向かって努力する重要性を学びました。

先生方のお話をお伺いし、自分自身も目標を掲げ医師として自分なりに形で貢献できるよう励んでいきたいと、決意を新たにしました。日本で医学を学んでいる私にとって、アメリカで実際に活躍されている先生方に直接お会いし、生のお話をお伺いすることは容易ではありません。そんな中、このような大変貴重な機会を作っていただきましたJMSAには、感謝の気持ちでいっぱいです。JMSA生徒代表の一員として、これから少しでも貢献できるよう、励んでまいりたいと思っております。